研究課題
平成29年度はシャツキー海台を主な研究対象とした。シャツキー海台南部をつくるタム山塊は、地球上で最大の火山であることが判明している。この火山のサイズは太陽系で最大のオリンポス火山(火星)の大きさに匹敵する。タム山塊上には無数の火口があり海山を形成しているが、その詳細は不明であった。そこで8月から9月にかけて、海洋研究開発機構(JAMSTEC)の研究船「かいれい」を用いて、タム山塊上の海山の調査を行った(KR17-13航海)。本科研費の多くは、この航海のための旅費、運送費、物品費(リードワイヤー、ハードディスク、データ解析用アプリケーションソフト等)に使用した。海底地形を詳細にマッピングした結果、円頂丘、ギョーなど、タム山塊の南斜面には様々な形の火口が存在することが分かった。また、4地点でドレッジを行い、2地点でマンガン団塊を採取した。また、少量の浮遊してきた軽石なども回収された。マンガン団塊の中には中心部に火山岩を含むものもあり、これらは海山をつくる溶岩の欠片と推定された。平成29年度予算の一部は、平成27年度と28年度にオントンジャワ海台から採取した火山岩の40Ar-39Ar年代測定をオレゴン州立大学で行うための費用としても使用した。また平成28年度に採取した火山岩の整理、記載、全岩化学組成分析を終了させた。本年度予算の一部は、これに必要な消耗品の購入にも充てた。さらに、本年度は本研究の最終年度であるため、これまでのオントンジャワ海台とシャツキー海台を対象とした研究のレビューを行い、論文としての公表も行った。また一般向け図書として講談社ブルーバックスから「海に沈んだ大陸の謎:最新科学が解き明かす激動の地球史」を出版し、巨大海台について紹介を行った。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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