研究課題
1980年以降、東南アジアでエビの生産がブームとなり、マングローブ林の開発が盛んに行われることになる。養殖そのものの内容が変化し、外貨を稼ぐことになったと想像されるが、マングローブの継続的な減少は沿岸環境の脆弱化につながり、海岸侵食・塩害などの被害が増大することになる。科研費では2002年度から2005年度に「マングローブ再生プロジェクトにおける住民・NGO参加型の発展モデル」で国際開発的な見地に立った参加型環境プログラムの有効性を検証した。この分野の蓄積をさらに発展させ、効果的なマングローブ林再生のため、地域との合意形成のあり方について明らかにすることが望まれていた。マングローブ再生のための合意形成のプロセスを、各種データ、行政資料など既存資料の収集解析、環境問題担当者・NPO・NGOなどのインタビュー、実態調査によって整理した。NGOが行う、一種の合意形成は、その活動の中に織り込み済みであり、行政などの他の主体が実施する場合より、効果的であることが理解できた。諸外国のNGOがかかわることで、より高い見地に立った参加型環境プログラムの発展モデルを構築することが可能である。こうしたパートナーシップは、マングローブ林を再生するという意義のほかに、地域の人々が林産物や水産物を収集し、植樹に参加することで現金収入を得ることができ、住民の生活の質の向上が図ることができる。また、地域の人々がマングローブ資源の持続可能な活用・管理への関心が高まることが考えられる。国際的なパートナーシップが自然保護活動を推し進めていく上で不可欠になってきている。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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環境諸問題研究・活動報告書(緑の地球防衛基金)
巻: 2017 ページ: 24-28