現在の情報社会では大量のデータを容易に収集して蓄積でき,そこから有益な情報を抽出するために大規模な凸最適化問題を高速に解くニーズが急速に高まっている.そこで近年,特に注目を浴びているのが理論的には難解であるが,実装が容易な加速(劣)勾配法である.本研究ではこの加速(劣)勾配法の本質的な収束速度を解明すべく,代表的な手法が満たすべき性質を見出し,この性質をもとに新たな加速(劣)勾配法族を提案することに成功した. またサブテーマとして,特殊構造を有する凸最適化問題に対して関数値と勾配の値だけで構築できるカスタマイズされた手法を提案し,その性能を数値実験などを通して確認を行った.
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