データとして観測される諸現象の原因になり得る諸要因を探り出す統計解析法が因子分析である.例えば,テストの諸問題の得点を現象とすれば,要因は各種の能力となる.通常の因子分析を改良して,関係する現象と要因のペアを計算によって見出そうとする方法がスパース因子分析である.このための既存のアプローチは,関係の強さが閾値以下であれば無関係と見なす方法であるが,閾値を連続・無限の実数値から選択する事を要する.この難点を回避するため,本研究では,無関係な要因と現象のペアの数を指定すれば解が得られるスパース因子分析法を開発した.ペアの数は離散・有限の整数であるので,全ペア数に対する解の中から,最良な解を選べる.
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