嗅覚は記憶や情動に直接作用する感性の感覚情報であるため映像に連動するように香りを提示すると、高い臨場感や記憶の想起など様々な心理的効果が期待できる。しかし、マルチモーダルな情報提示は、提示される各感覚刺激が現実世界の場合と矛盾すると、違和感を生じるなどリスクもある。そこで、画面上の表示物の位置から空気や香りを利用者に向けて放出できる感性マルチメディアディスプレイ(KMMD)を設計・試作し、映像、香り、気流が現実世界と類似するように協調的に表示できることを示した。また、応用としてマルチモーダルコンテンツを制作し、臨場感が向上するなどの心理的影響を明らかにした。
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