新たなメタデータ作成ガイドラインであるRDAのわが国での実装に向けて、(a)メタデータ作成者による理解を支援するためにRDAに即したモデルを効果的に提示すること、および(b)RDAに基づくメタデータ作成処理の支援システムを開発することを研究目的としている。今年度は、昨年度までに実施した研究成果の公表等を主に実施した。 1. BIBFRAME 2.0の検討:米国議会図書館が主導するBIBFRAMEプロジェクトにおいて提案された最新版のバージョン2.0について検討を行った。BIBFRAMEは、現在、RDAを用いたメタデータ作成に際して利用しうる有力なスキーマとして提案されているため、RDAモデルとの相違の確認、RDAメタデータ作成用スキーマとしての適切性などを検討し、その成果をまとめ雑誌論文として公表した。 2. 優先実体の観点からのモデルの再検討:RDAおよびそれが依拠するFRBR(書誌レコードの機能要件)モデルの実体構成を素材にして、優先する実体を変化させたときにどのような相違が生じるのかに基づき、特定の実体を優先することの直接的または間接的な帰結を検討し、その成果をまとめ雑誌論文として公表した。 3. RDAメタデータの主題表現強化支援システムの検討:RDAメタデータの主題表現力を最終的に強化することを意図して、件名標目と分類記号の適切な対応づけ、および両者の統合的活用法の検討を行った。特に、細目付き件名標目に対応する分類記号を機械学習によって自動的に付与できるのかを実験により検証し、その成果をまとめ雑誌論文として公表した。
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