ナノマテリアルの生態毒性は国際的な懸案事項の一つである。特に抗菌作用を持つことから保健衛生用品として国際市場の約半数を占める銀ナノ粒子は,生態リスクが最も高い物質の一つとされている。本研究では,銀ナノ粒子の中で使用量が多いとされる銀ナノコロイド(SNC)のメダカに対する銀ナノ粒子の発生および自然免疫に対する影響研究を行った。マイクロアレイ解析および定量PCRの解析から,SNC曝露により免疫に関わる異物認識,生体防御粘膜などに異常が確認された。Edwardsiella tardaを用いた感染実験を行った結果,SNC曝露によってメダカ成魚の感染が増大することが明らかとなった。
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