外来海洋生物の島嶼での分布と侵入リスクに関する研究は、世界的にも極めて少ない。そこで、多様な島嶼が数多く存在する我が国の地形上の特徴を活かし、64の有人島での分布の現状を解明しつつ島嶼への侵入リスクを推定した。合計11種が発見され、1島あたりの平均種数は1.9種で、55島には1種以上が棲息していた。日本の島嶼には平均約2種が広範囲に侵入している実態が明らかとなった。外来種数の多寡に関わる要因を重回帰分析によって解析したところ、緯度が高く、標高が低く、面積が大きく、在来固着動物種数が少なく、平均塩分が低い島ほど外来種数が多い事がわかった。
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