研究課題/領域番号 |
26350103
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研究機関 | 仙台白百合女子大学 |
研究代表者 |
鈴木 裕一 仙台白百合女子大学, 人間学部, 教授 (50091707)
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研究分担者 |
高澤 まき子 仙台白百合女子大学, 人間学部, 准教授 (50289732)
渡邊 兼行 仙台白百合女子大学, 人間学部, 准教授 (90337212)
菱沼 宏哉 仙台白百合女子大学, 人間学部, 教授 (20258792)
山城 秋美 仙台白百合女子大学, 人間学部, 講師 (30722970)
宮下 ひろみ 仙台白百合女子大学, 人間学部, 准教授 (20279607)
金澤 寛明 静岡県立大学, 看護学部, 教授 (40214431) [辞退]
唐木 晋一郎 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (00363903) [辞退]
神田 あづさ 仙台白百合女子大学, 人間学部, 准教授 (40280086)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 味覚刺激装置 / 味覚相互作用 / 基本五味 / 記憶の選択効果 / 炭酸飲料 / 食塩摂取量 |
研究実績の概要 |
1.選択することによって選択しない場合よりも記憶が促進される現象(自己選択効果)が、味覚に関しても見られるか否か検討した。「飲んだ」と回答した割合を比較したところ、選択条件と強制条件の有意差は認められなかったが、飲んだと回答した率は、強制条件に比べ選択条件が高かった。つまり、記憶に関する自己選択効果が味覚に関しても存在する可能性が示唆された。 2.炭酸水の飲用が、食生活に関連した生理機能、とくに消化管機能や味覚に与える影響を検討した。炭酸水は、食前より食後に飲んだ方が飲みやすくなったことから、消化管機能に大きく影響することが明らかになった。炭酸脱水酵素阻害剤を服用したときの影響を調べたところ、炭酸水の味に対する発泡感(ぴりぴり感)を抑えるのみならず、苦味などの他の味刺激にも影響する可能性が示された。さらに、炭酸は甘みを抑える可能性が示された。 3.季節によって味覚感度にどのような変化をもたらすかについて調査を行い比較検討した。五味の識別検査で、全て正答した人は夏季で69.1%、冬季で30.9%であり冬季の方が低かった。誤答した人の中で誤答率の最も高かった味は、両季ともうま味であり、冬季の方がうま味を酸味、無味に、また無味を酸味、うま味に誤答している人が多かった。 五味の刺激閾値では、塩味、酸味、甘味で夏季より冬季の方が高い傾向にあった。認知閾値では夏季において塩味が冬季より低くなり(p<0.01)、酸味、甘味でも夏季の方が低くなる傾向にあった。以上のことから冬季の方が味覚感度は低くなる傾向にあった。 4.味覚誘発脳電図の測定に向けて、刺激装置であるガストメータの改良と、解析ソフトの改良を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
味覚誘発脳電図の測定に関し、刺激装置(ガストメータ)の改良を行う必要があり、遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
1)ガストメータをさらに改良し、味覚誘発脳電図の測定を進める。2)味覚感度に関する調査と食生活状況調査もあわせて分析を行う。3)食塩摂取量を減らすための基礎的研究で、和風だし単独素材を用いた内容としたが、洋風だしにおいても検討する。4)炭酸脱水酵素の味覚における役割を明らかにする。5)栄養摂取状況の分析を行い、現代の女子大生の問題点を探る。6)味覚の自己選択効果に関する研究を進める。試料に大きく左右されるため、提示の方法について、既知味・未知味や提示順を固定せずランダム化することで、味の違いの要因を相殺する方法をとる。
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次年度使用額が生じた理由 |
味覚刺激装置(ガストメーター)の改良に手間取って、誘発脳電図測定を多くの回数行うことが出来なかった。そのための予算が執行できなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度は昨年度の予定分も含めて脳電図測定を行う予定である。
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