本研究は、これまであまり研究対象となっていなかった妊婦のコホート調査である。妊婦の栄養状態やライフスタイルは母親および胎児に少なからず影響を及ぼす。そのため、本研究では妊婦の栄養摂取状態、食行動、生活習慣、健康状態などの個人生理要因および教育歴や所得などの社会経済要因も解析要因に含め解析を行った。さらに、胎児の疾患リスク形成と母体の栄養状態との関連を見るために、質問票および母親の血液生化学測定データから母親の食物繊維、食事性葉酸、血清葉酸、化学物質(PCB)暴露レベルなどを評価した。得られたデータは、母体の健康維持・増進を目的とした栄養指導あるいは介入戦略の立案に役立つものと思われる。
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