本研究では、授乳期に摂取する緑茶抽出物(GTE)の生理的役割を明らかにするために、妊娠期や授乳期に低栄養に曝された母ラットの授乳期にGTEを与え、離乳後の仔ラットで①心臓中のAMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)の活性や炎症に及ぼすGTEの影響、②離乳後に高脂肪食を与えた仔ラットの腎障害に及ぼすGTEの影響を調べた。その結果、①では心臓中のAMPK活性の上昇や炎症細胞浸潤の軽減がみられた。②では高脂肪食摂取により増加した仔ラットのトリグリセリド濃度の低下や腎臓中の炎症細胞浸潤の軽減が認められた。以上から、授乳期に摂取したGTEは仔ラットの代謝や炎症に影響を及ぼすことが考えられた。
|