4つの特徴を持つ永久磁石を利用したメインテナンスフリーのNMRを開発した。第一に、装置全体の低コスト化、コンパクト化、汎用性を高めることができた。第二に、高周波信号を低コストに信号処理するための工夫として、乗算器の1素子を用いるだけの周波数変換方式を採用した。通常ではGHzレベルのスペクトラムアナライザーが必要な場面ではあるが、今回の周波数変換方式により、極めて低コストの信号処理を実現することができた。第三に、分析に必要な試料量が少ない(5mmφ×2㎜:約40マイクロリットル)ことから、試料準備がより容易となる利点を持っている。第四に、永久磁石を用いたメインナンスフリー性能が特徴である。
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