研究課題/領域番号 |
26350342
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研究機関 | 金城学院大学 |
研究代表者 |
岩崎 公弥子 金城学院大学, 国際情報学部, 教授 (50345427)
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研究分担者 |
大橋 陽 金城学院大学, 国際情報学部, 教授 (70350957)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 反転授業 / アクティブラーニング / eラーニング |
研究実績の概要 |
本研究の主目的は、反転授業(Flipped Classroom)を導入し,知識習得の部分を宿題(予習動画)にすることで、専門知識に基づくアクティブラーニングを実施し、その教育効果を検証するものである。平成27年度は、平成26年度の小規模クラス(15人程度)での課題・実績を踏まえ、中規模クラス(60人程度)において、反転授業を導入した。具体的には、1年生の必修授業において実施。e-Learningシステムmanaba(朝日ネット)を活用しながら、学生は、宿題として7~8分の予習動画を閲覧し、小課題を実施した上で、授業時にグループワークで課題に取り組んだ。本研究では、1)質の高いグループアクティビティの実施、2)予習動画を閲覧させる工夫、3)予習動画のナレーション(人の声、合成音声)について検証した。1)については、反転授業を取り入れることで、アクティブラーニングの質を高めるとともに、学習意欲・教育効果が高まることが明らかになった。2)については、manabaを活用し小課題を出すことで、閲覧率を98.7%と高い水準にさせることができた。3)については、人の声の方が教材の理解が高まることがわかり、教材デザインにいかすことができた。 さらに、今年度は、反転授業ならびにアクティブラーニングの先進的事例調査を実施した。米国・クリントンデール高校(ミシガン州・デトロイト)やカリフォルニア大学バークレイ校に訪問し、反転授業の導入手法、また、その効果について意見交換を行い、知見を深めることができた。そこで得た知見、すなわち、クラスサイズ、講義と演習の割合、教材の種類と開発方法、評価手法等を次年度の検証にいかしていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、反転授業のスキームを(1)授業デザイン、(2)教材開発、(3)アクティブラーニング、(4)振り返り、(5)評価の5つに整理し、平成27年度は特に(4)と(5)を重点的に実施する予定であった。そこで、平成27年度は、中規模クラスにおいて反転授業を導入し、アクティブラーニング導入後の小レポートの分析(導入前と導入後の比較)、アンケート調査を実施し、反転授業の教育効果をはかった。 しかし、教育効果の調査手法については、比較的簡易なものであったため、平成28年度は、教育効果調査の方法について、さらに詳細なデータをとり、知識の深まりについて明らかにしたい。
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今後の研究の推進方策 |
反転授業の導入により、質の高いアクティブラーニングを導入できることが明らかになった。平成28年度は、研究の最終年度となる。(1)授業デザイン、(2)教材開発、(3)アクティブラーニング、(4)振り返り、(5)評価について、平成26年度、平成27年度、小規模クラス、中規模クラスにおいてそれぞれ導入したが、いまだ、以下の課題が解決されていない。 (1)知識習得の時間とアクティブラーニングの効果的な割合、(2)教員負担を軽減した教材開発の工夫(シンプルでかつ教育効果の高い教材デザイン)、(3)アクティブラーニング時にグループワークに参加できない学生のサポート方法、(4)アクティブラーニング後の知識定着の方法、(5)知識の深まりについての調査方法 平成28年度は引き続き中規模クラスにおいて、反転授業を導入し、種々の課題に取り組んでいく。
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次年度使用額が生じた理由 |
反転授業の教材開発に必要なパソコンとソフトウェアを購入する予定であった。しかし、平成27年度は、いくつかの先進的な反転授業導入校への視察、ならびに、動画教材を開発しながら、ソフトウェアの検討・選定を行っていたため、今年度の購入にいたらなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度は、反転授業導入校の視察ならびに実践校の教員との意見交換を行い、ソフトウェアの選定ができたため、早い段階でPCとソフトウェアを購入し、多くの教材コンテンツを開発し、反転授業の教育効果を検証する予定である。
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