研究課題/領域番号 |
26350584
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研究機関 | 国士舘大学 |
研究代表者 |
金子 真人 国士舘大学, 文学部, 教授 (40448923)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 発達性協調運動 / ADHD / スクリーニング / 眼球運動 / 視覚認知機能 / 立方体透視図 |
研究実績の概要 |
研究2年目にあたる平成27年度は、平成26年度に施行した発達性協調運動障害検出のための認知課題とその基準値を基に鑑別点となる認知課題の選択と認知特性の分析を行った。そして、識別力の高い発達性協調運動障害検出のための課題を明確にした。特に、グーパーによる交互運動とビーズの紐通し課題において高い寄与率を認めた。同時に、通級指導学級における発達障害児を対象としたスクリーニング検査としての認知課題の予測可能性をSLI児、ADHD児、発達性ディスレクシア児において検討した。この結果は現在解析中である。 また、ADHDを併存する児童約20名への眼球運度測定を行いADHDの特徴的な不注意の特性を明らかにした。ADHD児あるいはADHD傾向の強い児は、線画同定課題の六択選択肢のうち半分以上に視線を向けることなく、最初に捉えた刺激絵に衝動的に反応して選択していることが明らかとなった。 さらに、これまで解析してきた鑑別点となる認知課題の中で、特に立方体透視図の模写における採点法の検討を行った。あらたな採点法の導入により、ほとんどの小学校1年生では困難である立方体透視図の模写が完成に至る過程中の検討を行った。その結果、発達性協調運動障害による拙劣さと視覚認知機能の脆弱さとの両側面を予測し捉える可能性が明らかとなった。特に、立方体透視図の模写成績は、ビーズの紐通しにおける協調運動や線画同定課題のお手つき数にて予測される視覚認知機能との成績に有意差が認められた。 現在は、平成28年度における新入学の小学1年生を対象とした認知特性による発達障害の予測調査のスクリーニング準備を進めているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
最終年度に向けたスクリーニング課題の選択をほぼ終えたことで、ほぼ順調に推移している。
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今後の研究の推進方策 |
今後はさらにデータを収集する予定である。特に、入学直後の新1年生のデータ収集を継続することでスクリーニング検査の感度を高めていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査対象を限定しなければならず実施時期の調整に時間がかかったため次年度にて調査のための謝金等に使用する予定である。
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次年度使用額の使用計画 |
新年度入学の小学1年生と夏休み以降の就学前の年長幼児への調査研究者の謝金として使用予定である。また、成果発表の旅費として使用予定である。
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