聴覚と視覚の重複障害を持つ盲ろう者のうち,聴覚障害の後に,あるいは成人後に視覚障害を受障した盲ろう者(ろうベース盲ろう者)は点字の学習が比較的困難なため,情報獲得の手段が触手話や指文字などに限られることが多い.しかし,これらの手段は触手話通訳者等による人的介助が不可欠であるため,自立した情報獲得が困難であり,生活の質 (quality of life: QOL) の低下の大きな要因となっている.本研究では,ろうベースの盲ろう者が自立して情報獲得できることを目指し,人の右手を模した多自由度ロボットハンドおよびアームを用い,テキストから触指文字を順に出力できるロボットの試作を行った.
|