研究課題/領域番号 |
26350703
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研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
小川 宏 福島大学, 人間発達文化学類, 教授 (50224118)
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研究分担者 |
森 知高 福島大学, 人間発達文化学類, 特任教授 (50114004)
菅家 礼子 福島大学, 人間発達文化学類, 教授 (90134155)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 運動プログラム / 小学生 / 体力向上 / 普及方策 |
研究実績の概要 |
本研究課題は、福島県内の小学校で実施している「運動身体づくりプログラム」を具体的事例として、全国で展開されている運動プログラムを普及させるための方策について検証する研究である。平成29年度は研究4年目の最終年度であり、これまでの結果を踏まえ、全国で展開されている体力向上の最新の取り組みについて情報収集を行った。 平成29年度前半から中盤は小学生の体力・運動能力を向上させる運動プログラムについて、全国の動向を情報収集するため、静岡大学で開催された日本体育学会、和歌山県で開催された全国学校体育研究大会に参加した。小学生の体力向上の取り組みを行っている研究者や現場教員と意見交換を行った結果、体力テストの数値を上昇させるために、テストの測定方法やテスト練習など、真の体力向上とは言えない取り組みが行われている可能性があることが分かった。体力テストの県別ランキングが公表されることもあり、各県の教育委員会が体力向上方策を推進すればするほど、目先の体力テストの数値を上げることが目標になりがちである。そのような取り組みでは、運動プログラムをやらされている時は運動するが、それ以外の時間に児童が自ら楽しんで運動しようという意欲の高まりは期待できなくなる。今後、全国の体力テスト実施の実態、および望ましい運動プログラムの実施形態について調査していく必要がある。 また、2011年の東日本大震災後、継続して進めてきた福島県内小学生の震災前後の体力・運動能力の変化について論文としてまとめ、「スポーツ教育学研究」に投稿し、2018年2月に発行された。震災後の体力・運動能力の変化を検証した結果、以下のことが明らかになった。 1)高学年になるほど持久力が低下していた。2)男子の投力や低学年の立ち幅跳びが低下していた。3)握力と柔軟性は震災後、向上が見られた。4)低学年の反復横跳びが有意に向上していた。
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