本研究は、登山者のリスク認知と登山装備の関係について明らかにすることを目的とした。調査場所を鹿児島県と宮崎県の県境に位置する韓国岳周辺とし、山頂まで登った登山者を対象に調査を実施し1027件の回答を得た。 登山のリスクに関わる認知や評価と装備品の数との間には直接的に明確な関連は認められなかったが、登山者としての経験や知識、あるいは登山への関わり方が媒介変数として関連している可能性が示唆される結果となった。この結果から、登山の危険性を喧伝するリスクコミュニケーションは、登山者の装備の充実に必ずしも寄与しない可能性が示唆された。
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