日本人男女(18-85歳,784名)を対象として,新規エストロゲン受容体である“G-protein Coupled Estrogen Receptor; GPER”遺伝子多型が動脈硬化度および運動による動脈硬化改善効果に及ぼす影響について検討した。rs3808350多型において,GG型を有する者の動脈硬化度は有意に低値であったが,運動による動脈硬化抑制効果にこの多型は関係しなかった。また,この多型はBMIや血中グルコース濃度と関連していた。以上より,GPER遺伝子多型(rs3808350)は,有酸素性作業能力の高低に関わらず,動脈硬化指数や血糖値などの冠危険因子に影響することが示された。
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