脳梗塞や心筋梗塞といった血栓性疾患の治療ならびに予防がきわめて重要である。これまで、in vitro血栓溶解活性評価系を用いて血栓溶解促進物質の探索を行なった結果、環状ペンタペプチド、マルホルミンを見出してきた。本研究の目的はマルホルミンの作用機序を解明することである。今回、マルホルミンはRSK1の活性化を誘導し、ウロキナーゼの発現上昇を引き起こし、血漿中のプラスミノーゲン活性化を介した線溶活性を促進することを明らかとした。本研究の結果から、マルホルミンの分子構造を基盤とした次世代型血栓溶解剤の創製が期待される。
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