本研究では、エゴネットワークを用いてチュニジアの中流階層社会の今まで見えていなかった特質をあぶり出すことを試みた。過去に社会言語学分野で研究されてきた多言語・多文化社会における言語使用に関しての成果を検証することも行った。日常生活のさまざまな場面における個人の言語使用を明らかにすることから、目的の社会グループの持つ傾向が窺えた。定性・定量双方の手法を用いて現地調査から得られたデータを分析した。それにより、中流階層の人々が状況に応じてコミュニケーションの言語を使い分け、そしてこのような多言語社会がどのようにチュニジアの社会の一面を映し出しているのかについて報告した。
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