『愚管抄』の読解に関しては、写本を蒐集した上で、4種類の活字本での本文校合、及び現行の現代語訳の問題点の指摘とその箇所の試訳を分担して行い、思想内容も含めて議論した。その成果の一部は、リポジトリにて公開した。そして、上記の『愚管抄』の読解及び「道理」の分類などによって、『愚管抄』に描かれた神仏共存世界の構造と人間の「現存」との関係の一端を明らかにした。また史料読解と実地調査によって、慈円の生き方と知の様態を考察した。 個別研究では、中世のみならず、近世や古代も含めた様々な神仏関係思想と人間の「現存」の関係の解明に取り組み、研究会で報告して議論を行い、いくつかの成果を公表した。
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