研究課題/領域番号 |
26370068
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研究機関 | 大正大学 |
研究代表者 |
弓山 達也 大正大学, 人間学部, 教授 (40311998)
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研究分担者 |
星野 英紀 大正大学, 文学部, 名誉教授 (00054669)
村上 興匡 大正大学, 文学部, 教授 (40292742)
寺田 喜朗 大正大学, 文学部, 准教授 (40459839)
佐々木 裕子 白百合女子大学, 文学部, 准教授 (60286888)
黒崎 浩行 國學院大學, 公私立大学の部局等, 准教授 (70296789)
齋藤 知明 大正大学, その他部局等, 講師 (80646224)
星野 壮 大正大学, 文学部, 講師 (60725381)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 東日本大震災 / 震災モニュメント / いわき市 / 釜石市 / コミュニティ |
研究実績の概要 |
本年度は代表者と分担研究者が中心となって2011年より実施してきたいわき市における東日本大震災後のコミュニティの再編と宗教文化との関わりをめぐる調査を継続するとともに(9月と3月に調査を実施)、特にいわき市内の震災モニュメント建立の状況を調べるために、また被災三県への調査地拡大するために、以下の調査を行った。 (1)震災モニュメント調査:いわき市内約200カ寺に郵送アンケートを実施し、震災モニュメントに関する情報を集約し、22カ所のモニュメント調査を行った(9月に2回)。あわせて震災モニュメントに関わる先行研究の収集と紹介をする研究会を定期的に開催した。 (2)釜石キリスト教調査:釜石市の仮設住宅等で被災者への継続的な支援を行っているキリスト教3団体を対象に聞き取り調査を実施した(2月)。 (3)会議等の出席:仙台で開催される国連防災世界会議に合わせて現地に赴き、現地の被災寺院の僧侶を中心に聞き取り調査を実施した(3月)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の研究計画は(1)いわき市における予備調査を踏まえて、宗教とコミュニティの再編に関わる調査を継続するとともに、(2)行政資料を関係機関に求め、(3)さらに次年度以降の調査地の拡大を行うことであった。 これらに関して、震災モニュメントという切り口を得たことによって、より具体的にコミュニティの再編と宗教文化との関係が明らかになったものの、教団宗教への目配りがやや乏しくなったことは否めない。また(2)行政資料の収集は十分に展開することができなかった。 一方、調査地の拡大については釜石市において被災者支援を続けるキリスト教団体の調査に着手することができ、また仙台市の被災した仏教寺院への聞き取りも行い、今後、当該課題へのアプローチが可能になったことを評価したい。
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今後の研究の推進方策 |
(1)2011年からの予備調査も踏まえ、いわき市のコミュニティの再編と宗教文化との関わりに関する調査報告を取りまとめる。 (2)いわき市調査と並行して、被災三県において公共の領域で際立った/典型的な活動をなす宗教団体の活動や宗教行事・イベントを調査し、これまでの成果とあわせて比較・類型化を試み、同時にかかる成果を学会報告、市民向けシンポジウム、行政関係者へのフィードバックとして公開し、情報交換と次なる調査の更新を実施する。 (3)以上の成果をもとに行政・宗教団体・宗教研究者組織の連携を模索、具体的には臨床宗教師制度やスピリチュアルケアワーカーなど公共の領域での活動を念頭に置く宗教者育成プログラム策定への提言、大学や大学間・大学地域連携の被災地支援プログラム作りを実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
(1)いわき市における行政調査の未執行(118,485円)。 (2)分担研究者1名が急病につき岩手(釜石市)調査不参加(75,000円)。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額は、全額、旅費にあて、平成26年度に行う予定であった行政調査と岩手調査を実施する。
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