研究課題
本年度は予定通り、いわき市の調査を主に仙台市と釜石市に拡げるとともに、被災地における街づくりや復興イベント作りに関わりつつ研究を進めた。いわき市における取り組みに関して、小名浜の復興イベントである第1回「どんとやれ大漁旗」(5月4日)に準備段階からボランティアとして関わりつつ関与型調査を行い、事後調査を実施するとともに、2017年の第2回イベントにも関わりを持っている。同様に市内平の大國魂神社にも定期的に足を運び、例大祭(5月3・4日)の参与観察などを行った。また平で年数回開催されている未来会議に注目し、ワークショップ型の街づくり会議に出席(9月4日・2月5日)した。この他、市内においては創価学会やグレイスチャペルにおける聞き取り調査も継続しいている。調査地の拡大に関して、カトリックいわき教会(5月4日)の調査を手がかりに、白河教会・須賀川教会で震災後の教会再建、被災者支援の他、外国人信徒の動向や教会による支援について調査を行った。また福島県川内村における新住民調査に着手した。宮城県では南三陸町での調査の他、仙台市内の住民移転地域にある浄土寺と昭徳寺の調査も年度を越えて実施している。さらに岩手県では仮設住宅から公営住宅へ移転する際のコミュニティ解体および再構築について実態把握するべく、釜石市社会福祉協議会、新生釜石教会、カリタス釜石、そして大槌町中村仮設において聞き取り調査を実施した。本年度は6月14日、1月12日・19日・26日、2月6日に研究会を開催するとともに、これまでの成果の一端を日本宗教学会でパネル報告「震災後の宗教とコミュニティ―関与型調査からの再考察―」(9月11日)するとともに、3月4日には講師に薄井篤子氏と高橋和義氏を招き、公開シンポジウム「東日本大震災後の新しい生き方とコミュニティ、そして宗教」を一般公開で開催した。
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宗教と社会貢献
巻: 6(2) ページ: 23-50
日本臨床内科医会会誌
巻: 31(3) ページ: 379