本研究は主にいわき市における宗教とコミュニティをテーマに、宗教団体、民俗行事、市民イベントの調査を重ねてきた。その結果、以下の3つの成果が得られた。 (1)被災者支援が後退していくなかで、宗教団体や宗教者による支援は継続され、そのことが宗教の有する公益性や公共性を高めていることが判った。(2)いわき市震災モニュメントの悉皆調査を実施し、23カ所のモニュメントを確認し、16カ所については所在地、形状、意味、建設経緯などを整理した。(3)市民の街づくり会議等に出席するとともにボランティアを行いながら調査を行う「関与型調査」を模索し、学会と公開シンポジウムで、その成果を問うことができた。
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