研究課題/領域番号 |
26370156
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
松永 加也子 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (20344541)
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研究分担者 |
寺田 貴雄 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (00322868)
水田 香 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (30133789)
野呂 佳生 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (40237897)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 芸術表現 / ピアノ教則本 / スオミ・ピアノスクール / ピアノ・ペダゴジー |
研究実績の概要 |
平成26年度の研究実績は次の通りである。 (1)日本、アメリカ、フィンランドのピアノ指導に関する教則本、書籍の特徴を調査し、分類した。学習者の年代(①高校生 ②成人18~39才 ③成人40~59才 ④高齢者60才以上)および学習目的(A音楽を楽しむ目的が明確 B音楽を楽しむ目的が漠然 C専門的に学ぶ)をカテゴリーとして設定し、対象の教則本・書籍を分類した。 (2)フィンランドのスオミピアノスクールの教育実践を把握するために、フィンランドおよび同じ北欧のノルウェーのピアノ教育事情を視察した(水田、松永が渡航)。本研究の研究代表者および研究分担者の所属大学は、フィンランドのシベリウス・アカデミーおよびノルウェーのベルゲン大学グリーグ・アカデミーと国際交流協定を締結交しており、内容の濃い視察ができた。フィンランドとノルウェーの2カ国を調査したことで、教育方針や内容の違いが明らかになり、有益な調査になった。視察の概要は以下の通りである。 <フィンランド>ヘルシンキ郊外にあるEspoo Muisic Instituteという公立の音楽スクールで幼児のグループレッスンを参観した。更に、シベリウス・アカデミーにて、学生のグループレッスンと個人レッスン、ピアノ・ペダゴジーの授業を2度、学生によるレッスン実習を参観した。 <ノルウェー>グリーグ・アカデミーでは、3人の教授の個人レッスンを参観した。ピアノ・ペダゴジーの授業を担当する教員から授業内容、指導方法等に関して聞き取り調査を行った。近隣のカルチャースクールでの取材と子どもへのピアノレッスンを参観した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理由:多くの教則本、書籍に目を通しカテゴリー分類することができた。当初の研究計画予定では日本での使用頻度が高いアメリカの教則本とその指導法を視察するためにミシガン大学のピアノ・ペダゴジー授業を中心に調査する予定であった。けれども、フィンランドの教則本(日本語版)スオミ・ピアノスクールを分析したことで、アメリカのみならず他地域のピアノ教育の方法および内容も調査対象にする方針に計画変更し、北欧を調査した。
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今後の研究の推進方策 |
前年度の研究をふまえて、北欧に加えてドイツのピアノ・ペダゴジーを調査する(水田、野呂、松永が渡航予定)。訪問先は、ブランデンブルク工科(総合)大学、ヴュルツブルク音楽大学を予定しており、5月下旬に訪問する。更に、アメリカのミシガン大学の視察も予定している。 また、北欧、ドイツの視察内容を分析検討し、学会等での口述発表および論文発表を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初購入予定のビデオカメラは大学支給の教育実践フィールド科目経費で、授業「ピアノ指導法」のために購入することができた。ピアノ指導に関する発表を、日本教育大学協会全国音楽部門大学部会第39回全国大会(札幌)にて行うことができたため、発表のための予定旅費がかからなかった。北欧視察旅行に関して、水田・松永は同行したが、水田の旅行は大学からの依頼による交換留学生のフォローアップが主目的であったため、旅費が節約できた。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度はドイツ視察旅行(3名渡独予定)、アメリカ視察旅行(2名渡米予定)と海外出張が続くため、助成金の多くは旅費にあてることになる。
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