3D英語マルチメディア教材を開発し、その有効性を検証することができた。また、日本人英語学習者者が学術論文中において苦手とする英語の強調及び緩和表現の使用方法を指導し、改善を見出すことができた。これも認知に訴える手法に基づく立体空間を利用して、学術論文中で多く使用される強調及び緩和表現を英語学習者の脳の奥深いところで認知的処理を行えた結果であると推測できる。つまり自然言語習得空間となる具体的領域の意味が抽象的領域の意味の核となり、文字情報からだけでは理解し難い概念を持つ強調や緩和表現の概念学習と意味学習を具体的領域と抽象的領域を用い、認知に訴えるマルチメデイア教材を介して実現させることができた。具体的に以下の目的を達成した。 ①コンピュータ上に自然言語習得過程に近い空間を構築し活用させることで、自然に日本人英語学習者に強調及び緩和表現の概念と意味を根付かせることを可能にした。更に従来の教材で使用する2D教材(平面)よりも効果的であることを証明した。 ②具体的領域の概念と抽象的領域の意味を重視する認知に訴えるアプローチと抽象的領域の意味のみ重視する伝統的アプローチを比較し、自然言語習得のように具体的領域の概念を学ぶことから始める重要性を確認した。 ③日本人英語学習者と日米理工系研究者の強調及び緩和表現を比較分析することで日本人英語学習者が習得困難である強調及び緩和表現を特定でき、日本の英語教材に必要な改善点を提案することができた。
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