近年グローバル化の一方で、ローカルなものへの注目が高まっている。本研究は、そのなかで改めてローカル、ローカリティが何かを考えるため、元来ローカルな文化が強いとされるイタリアにおいてローカルコミュニティの事例調査を行い、理論的な再考も行った。その結果ローカルとは、それ自体でグローバルと二項対立的に存在するものではなく、グローバル、ナショナル等の関連の中で再編されること、ゆえに近年のローカルブームには批判的視点も必要であること、また近年はローカルな場にこそグローバル等の他の空間が重なるようになり、時間観とともに空間観の再編が起きていること等を明らかにし、新たなローカリティ論への足掛かりを得た。
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