アメリカ連邦最高裁判所における「信仰行為二分論」の意義を明らかにすることを目的として、(1)「信仰行為二分論」に対する植民地・憲法起草時代における信教の自由論の影響、(2)連邦最高裁における「信仰行為二分論」の形成過程について検討した。(1)については、1802年にトマス・ジェファソンがダンベリ・バプティスト連合に宛てた書簡の意義を中心に検討し、その政治哲学的・神学的・認識論的前提などを解明した。(2)については、「信仰行為二分論」を初めて示した1802年のReynolds判決の意義を中心に検討し、信仰に基づく法適用免除の可能性を否定したとする伝統的な理解の見直しなどを行った。
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