本研究は、「資本主義の多様性」論において調整型市場経済に分類される日本の生産レジームに関連する政策の変容過程を政治学や公共政策学の観点から解明した。 1990年代以降、コーポレート・ガバナンスに関わる商法・会社法などが変容を遂げてきた。従来、それらの法制度は調整型市場経済を前提としたものであったが、近年では自由主義市場経済型へと変化してきた。本研究は1990年代初頭に重大局面が存在し、政治的機会構造が開放されて従来の政策規範や政策ネットワークが大きく揺らぎ、新たな政策アイディアやアクターが政策形成に影響を及ぼしうる余地が広がり、その結果として政策が変化してきたことを明らかにした。
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