研究3年目では、これまでに収集したデータをグループ化し、それそれのグループ内の傾向を把握するとともに、グループ間にどのような関連がみられるのかについて統計分析手法を用いて分析を行った。これについては、英語で論文を執筆し、国際ジャーナルに投稿を行った(現在は査読中)。また研究1-2年目に明らかになった知見とあわせて日本語で論文を執筆し、学会誌で発表した。日本の学術界では、近年、特定国または特定地域に絞った研究がさかんであるが、それを補完する地域を横断した分析結果を提示することができた点で、本研究の意義は大きかった。 海外の研究では、地域横断的な研究は行われているが、紛争経験国に焦点を絞った研究はほとんどみられないことから、国際学会および国際学術雑誌での発表を今後も続けていく予定である。海外での研究発表には査読プロセスに時間がかかるため、3年の研究期間中に十分な成果発表につなげることができなかったが、今後の研究成果も含めてさらに進化させて公表していきたいと考えている。 また学術界だけではなく、本研究の成果は一般にも公開していく予定である。本年度には公開講座において本研究の成果を一般の人にわかりやすく解説を加えながら公表することを予定している。また市民講座や生涯学習講座などの機会を活用して、幅広い世代に本研究の成果を公開していく予定である。一般公開においても、本研究分野に関する内容に関心を持つ人が多いことから、今後も機会を見つけて公開していく。
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