混成動学は,ゲームにおける均衡の安定性と均衡選択の問題を一挙に考察する確率進化理論のあらたなモデルとして提唱された.本研究は,その予備的考察として安定性の問題,すなわち均衡に至るメカニズムの解明に努めた.均衡の一意性の一般化である交換可能性の考察を通じ,対可解ゲームと呼ばれる新たなゲームのクラスが発見された.対可解ゲームは,多数の応用モデルを含む豊かなクラスを形成する一方,いくつかの著しい理論的性質を持つ.特に,一定の条件のもと,劣位の戦略を逐次削除することにより均衡が到達されることが明らかとなった. すなわち,対可解ゲームは支配可解である.
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