本研究は、日本企業を対象として、多角化企業における事業部門間の人的資本の配分(内部労働市場)が事業部門間の投資資金配分(内部資本市場)に与える効果を実証的に分析した。 最初に、多角化企業における事業部門の収益性と人的資本配分との関係を実証的に分析した。その結果、内部労働市場における人的資本の配分が効率的ではないことが確認された。さらに、人的資本の配分が非効率であるほど、物的資本の配分が効率的に行われていることがわかった。ここからは、企業は、内部労働市場で労働力をうまく配分できない場合,企業内部の物的資本配分をより効率的に行っていることが示唆される。
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