本研究では、製造業のアントレプレナーシップ(起業活動)を促進する地域イノベーション・エコシステムの日本型モデルを提示した。 具体的には、①東京圏におけるグローバル企業発のスピンオフ・ベンチャー創出モデル(大手電機メーカーのオープン・イノベーション事例)、②中山間地域におけるクラフト型のメイカーズ(個人のマイクロ製造業)の創業モデル、③地方拠点都市における多様な産業クラスターの形成モデル、といった三点である。いずれも、実践コミュニティの概念を導入して事例を分析した。その結果、アントレプレナーシップに対してネガティブな国民的制度の制約を乗り越えた、日本型の起業活動モデルを導出することができた。
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