本研究の目的は、日本ではなぜ会計基準のコンバージェンス(国際的統一)が慎重に進められているのかを、内外の会計基準、アンケート調査結果、証言などを用いて客観的に分析することであった。 分析の結果、日本の会計制度は欧米の制度に近似していること、とりわけ日本の会計専門家の倫理観・判断力は欧米の会計専門家に近似していることが明らかにされた。しかし、会計基準のコンバージェンスを促進するにあたり、日本のローカルな側面、すなわち歴史的、組織的、社会的、制度的、政治的、経済的環境等を考慮する必要があり、これら制度間の補完関係がコンバージェンスが慎重に進められている原因となっていることが明らかにされた。
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