2000年以降のわが国企業のデータを用いて,経営者の会計的裁量行動と実体的裁量行動の関係を分析した。会計的裁量行動は米国SOX法成立後(特に大手監査法人のクライアント企業)に実体的裁量行動はJ-SOX後に減少していた。このことはJ-SOXと事前の法規制によるコーポレートがバンスと監査の変化が会計的裁量行動と実体的裁量行動を双方抑制したことを示唆する。大手監査法人と中小監査法人間の監査法人の交代,利益ベンチマークをかろうじて達成した企業における両裁量行動においても,海外の文献で報告されている明確な代替関係は見られなかった。
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