本研究は、概念フレームワークで質的特性の1つとして位置づけられる「財務情報の比較可能性」に着目し、その測定アプローチや時系列動向について実証的に検討した。 まず、先行研究のレビューを通じて、比較可能性を尺度化する方法をインプットアプローチとアウトプットアプローチの2つに分類し、その特徴や分析における利用方法を整理した。その上で、先行研究において最もよく用いられているDe Franco et al. (2010)に従い、その時系列動向を観察した。その結果、時系列でみた場合、会計基準のグローバル化とともに、企業の財務情報の比較可能性は改善傾向にあることが示された。
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