台湾と韓国では90年代後半にアジア女性との国際結婚が急増し、社会的注目を集めるようになったが、それ以前の外国人妻とは日本人女性のことであった。日本人女性の台湾と韓国への結婚移住は「帝国日本」の時代に遡ることができる。 本研究では移住時期の異なる日本人女性の聞き取り調査を通じて、社会発展段階や外国人政策、家族規範が異なる移住先で女性たちがどのように家族形成に向き合い、移住先と日本社会の変化をどのように捉え、第二世代の日本人アイデンティティをどのように育んできたのか。それらが東アジアの相互理解や「多文化共生」にどのような示唆をもつのかを考察した。
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