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2016 年度 実績報告書

アイトラッカーを用いた自閉症スペクトラム障害の注視行動の分析と注視行動形成支援

研究課題

研究課題/領域番号 26380933
研究機関南九州大学

研究代表者

財部 盛久  南九州大学, 人間発達学部, 教授(移行) (50175436)

研究分担者 野瀬 出  日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 講師 (60337623)
柿沼 美紀  日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 教授 (00328882)
五十嵐 一枝  白百合女子大学, 人間総合学部, 教授 (00338568)
上村 佳世子  文京学院大学, 人間学部, 教授 (70213395)
紺野 道子  東京都市大学, 人間科学部, 准教授 (30307110)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード自閉症スペクトラム / 注視行動 / アイトラッカー / 共同注意
研究実績の概要

目的:本年度はASD児(4歳)と母親を対象に共同注視を形成するための介入を行った。
方法:介入手続きは、プレイルームにおいて30分の母子自由遊び場面を設定し、母子の自由遊びをVTRにより録画した。セラピストは母子の遊びに関与しながらの観察で関わった。自由遊び終了後に母親へのVTRフィードバックで子どもの行動の意味および、母親の対応について話し合った。
介入経過:介入開始当初、母親は子どもの行動の意図を理解できず母子の動きはちぐはぐで、子どもの一人遊びになることが多かった。セラピストと母親はVTRを見ながら子どもの行動の意図および、子どもがどこを見ているかについて話し合った。介入中盤では、母親が日常生活のなかで子どもの行動と視線の動きの関連に気づいたことを報告。セ自由遊び場面においても母子相互のやり取りが活性化し、母子ともに楽しそうに話すことが頻繁にみられる。介入後半で母親は子どもと遊ぶのが楽しいと報告するようになり、子どもが母親と微笑みあうようになった。母親が語り掛けながら遊具を見ると子どもの視線は自然と母親の視線の先に向かうようになった。母親は子ども行動の意図がわかりやすくなったこと、子どもが母親の話を聞くようになったことを報告。母子の行動観察からは共同注視が形成されたと考えられたため、子どもに対して介入前に実施したアイトラッカーによる静止画に対する視線を同じ刺激を用いて測定。ところが、子どもは刺激を一瞥するとそれ以後刺激が提示されているPCの画面を見ることをしなかった。そのため、介入後の視線の分析を行うことができず、母親の対応の効果を評価できなかった。
考察:介入の評価を行う際、ASDの場合は介入前に用いた刺激を使い評価を行おうとしても、評価者の意図を酌み同じ刺激を注視することがない。ASDの静止画への注視行動の評価は等価の刺激を用いて行うことが必要ということを示している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017 2016

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] アイトラッカーを使った研究は実践にどのように貢献できるか2017

    • 著者名/発表者名
      財部盛久 野瀬出 上地亜矢子 上村佳世子 柿沼美紀
    • 学会等名
      日本発達心理学会第28回大会
    • 発表場所
      広島国際会議場、広島
    • 年月日
      2017-03-25 – 2017-03-27
  • [学会発表] 髙橋桃子 五十嵐一枝 上地亜矢子 上村佳代子 柿沼美紀 紺野道子 財部盛久 野瀬出 渡辺忠温2016

    • 著者名/発表者名
      ASD児の視覚情報処理の発達 ―アイトラッカーによる成人データとの比較―
    • 学会等名
      日本自閉症スペクトラム学会第15回大会
    • 発表場所
      白百合女子大学、東京
    • 年月日
      2016-08-27 – 2016-08-28
  • [学会発表] What autistic spectrum disorder children see and how they interpret what they saw- eye tracker data and story telling contents of Japanese and Chinese ASD children compared.2016

    • 著者名/発表者名
      Kakinuma, M. ,Takarabe, M,Takahashi, M., Uechi, A., Nose, I, Igarashi, K., Konno, M,Watanabe, T. ,
    • 学会等名
      31 st International Congress of Psychology
    • 発表場所
      Yokohama.Japan
    • 年月日
      2016-07-27 – 2016-07-29
    • 国際学会
  • [学会発表] Screening procedure for children with autistic spectrum disorder (ASD) by portable eye-tracker device2016

    • 著者名/発表者名
      Kakinuma,M.,Takarabe,M,Takahashi,M., Uechi, A., Nose,I,Igarashi, K., Uemura, K., Konno, M,
    • 学会等名
      15thWorld Congress of the World Association for Mental Health
    • 発表場所
      Clarion Congress Hotel,Prague, CzechRepublic
    • 年月日
      2016-05-29 – 2016-06-02
    • 国際学会

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公開日: 2018-01-16  

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