日本の教育実践の特長は、子ども理解に基づいて学力形成を行ってきた点にあるが、そのような実践を十全に分析できる一般性のある方法論を日本の教育学は開発できていない。他方、カナダから世界に広がっているナラティブ的探究は、子ども理解に基づく実践を分析する上で特に優れた方法論だが、子ども理解と学力形成の統合については開発途上にある。 本研究では、子ども理解と学力形成とを統一的に分析する方法論を探るべく、日本の教師とカナダのNIの研究者に対して往復的なインタビューを行った。それによって、21世紀に求められるコンピテンスとそれを育てる専門性のある次世代の教師のあり方について新たな知見が得られた。
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