研究課題/領域番号 |
26381059
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研究機関 | 飯田市歴史研究所 |
研究代表者 |
多和田 真理子 飯田市歴史研究所, その他部局等, 研究員 (00646268)
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研究分担者 |
西島 央 首都大学東京, 人文科学研究科, 准教授 (00311639)
瀬川 大 日本女子体育大学, 体育学部, 准教授 (20637334)
木村 元 一橋大学, 社会学研究科, 教授 (60225050)
大西 公恵 和光大学, 現代人間科学部, 講師 (70708601)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 教育史 / 地域史 / 学校所蔵史料調査 / 学校日誌 / 村会記録 |
研究実績の概要 |
1 小学校所蔵史料調査:小学校および学区の地域構造を明らかにするため、学校日誌などの史料を、教員・衛生・会計・学校運営など、各自の関心あるテーマを設定しながら読み進めた。また、とくに明治初期の学校日誌については活字化の作業を進めつつ、主に飯田学校(現飯田市立追手町小学校)の教員構成についてまとめ、成果を発表した。これは、明治末期に刊行された校史を含め、これまでの研究で明らかにされてこなかった内容である。 2 中学校所蔵史料調査:本研究の調査対象とする小学校および学区に関連する場として、進学先となる中学校の所蔵史料調査を行った。昭和初期の小学校高等科に関する史料があったほか、1947年に設置された新制中学校の草創期以来の史料が多数残されていた。今後、重要な史料として、調査を継続的に進めながら、小学校所蔵史料の内容との比較などを行いつつ分析を行う予定である。まず、早急に教員を確保し、設備を整える必要に迫られていた草創期の中学校に焦点を当て、職員の連絡を円滑にするために始められた「朝の連絡」制度に着目して分析を開始した。 3 地域関連史料調査:旧座光寺村役場史料のうち、村会史料を中心にデジタルカメラ撮影を行った。とくに明治期において、村議会の予算のうち大部分を学校関係予算が占めるなど、村の運営における学校の存在の大きさに着目したためである。明治期の村議会記録においては、発言者と発言内容が詳細に記録されているため、学校あるいは学事に関する村民の意見を、村内の地域構造とともに明らかにすることが可能だとの見通しを得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定した、小学校所蔵文書のうち学校日誌を中心とする翻刻作業については、一定程度の活字化および読解を進めている。 関係史料の所在調査に関しては、中学校所蔵史料について26年度に実施した予備調査により、本研究の目的を遂行するために継続的な史料調査および分析が不可欠であるとの認識を得た。また、旧村役場史料の調査および撮影などを、当初の予定通り遂行することができた。長野県立歴史館での調査を行うことができなかったが、27年度に実施予定である。
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今後の研究の推進方策 |
小学校所蔵史料の調査分析を引き続き進め、翻刻作業を進展させる。関連する課題として、史料の利用環境整備への取り組みが挙げられる。具体的には、現在「仮目録」として便宜的使用にとどまっている史料目録の完成、およびデジタル撮影データの利用システムの整備などである。前例が少ないこともあり、方法論についての議論が必要だが、学校所蔵史料の歴史研究への活用を促進することは、本研究の目的のひとつでもあるため、成果を早期に発信できるよう取り組みを進めたい。 また、関連史料として、中学校所蔵史料に着目し、調査を継続的に実施する。さらに長野県立歴史館での県公文書調査などを、当初の予定に従い遂行していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
備品購入の代金が予定より安価だったため。 調査先との日程調整の都合により、調査参加人数に変更が生じたため。
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次年度使用額の使用計画 |
27年度に調査を実施する。また、消耗品購入に充てる。
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