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2014 年度 実施状況報告書

教員の勤務環境とその変化が職能形成に及ぼす諸影響の解明と実践的対応策の検討

研究課題

研究課題/領域番号 26381087
研究機関佐賀大学

研究代表者

川上 泰彦  佐賀大学, 文化教育学部, 准教授 (70436450)

研究分担者 妹尾 渉  国立教育政策研究所, 教育政策・評価研究部, 総括研究官 (00406589)
高木 亮  就実大学, 教育学部, 講師 (70521996)
波多江 俊介  熊本学園大学, 商学部, 講師 (70733715)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード教員人事 / 教職キャリア / メンタルヘルス / パネルデータ
研究実績の概要

平成26年度は、これまでに開発してきた「適応感・メンタルヘルスチェックリスト」を、2つの県の初任教員(合計350名程度)と、2つの町の全教員(合計110名程度)を対象に実施し、データの蓄積を進めた。また希望者に対しては、回答に関する個別の分析結果を返送し、適応感やメンタルヘルスの状況をフィードバックした。
分析結果等についての論文執筆や学会発表はあまり行えなかったが、年度終盤にはこれまで蓄積してきたデータの分析作業を開始することができた。また、学校組織に対するフィードバック(校長向け・教職員向けなどの各種研修といった場面を想定)や、教育委員会向けのフィードバックを開発するべく、その予備的な分析検討会も開催することができた。
このように、具体的なアウトプットは次年度を待つことになるが、研究者と現場教職員とが意見交換をしながらデータや分析結果を多面的に解釈し、その成果を教育現場(教育委員会、学校(長)、教職員など)に向け多彩な方法でフィードバックするという本研究のゴールに向け、いくつかの試みを先行させることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

申請時に予定していた調査については、計画通り年2回のペースで実施できた。また、データの蓄積が進みつつある。この過程で、調査対象となっている地域の各教育センターや町の教育委員会とも良好な関係が維持できているため、今後の調査継続についても不安は無い。
上記の進展状況は、平成27年度に予定しているデータ分析の進展や、成果を活用した学校向け・教職員向けフィードバック開発のそれぞれについて、準備が十分に進められたものと言えるため、進捗状況を「おおむね順調」とした。

今後の研究の推進方策

これまでの調査とフィードバックを通じて、各教育委員会及び教育センターとの間に構築した信頼関係のもと、平成27年度についても継続して「適応感・メンタルヘルスチェックリスト」を実施することでデータの収集を行い、希望者へのフィードバックを図る。
これに加え、平成27年度からは学校(管理職)と教育委員会向けのフィードバックの開発に着手する。初任者を迎える学校(管理職)に対してのフィードバックについて、研修センター担当者との検討を進めるほ。加えて、町全体の教職員について調査協力を得ている2町については、町の教育政策や学校支援の状況が教員にどのような影響を及ぼしているのか、データ分析結果のフィードバックを行うことで町の教育政策評価のための資料提示を行うほか、学校向けの説明機会を持つことでフィードバックのあり方を検討する。

次年度使用額が生じた理由

各構成員がこれまで構築してきた研究環境を活用して研究を遂行することが可能であったため、物品費をそれほど必要としなかったことや、構成員が多忙化したために当初予定よりも打ち合わせ出張の回数が少なくなり、代わりに学会大会などの機会を活用した打ち合わせなどを随時行ってコミュニケーションを図ってきたことが理由として挙げられる。

次年度使用額の使用計画

パネルデータの作成を進めるため、その費用(人件費・謝金)が見込まれる。また調査データが累積してきているため、これらを整理保存するための物品費等が新たに発生することが見込まれている。上記事情で発生した「次年度使用額」をこれにあてることで、円滑な研究活動の進展を図りたい。

  • 研究成果

    (22件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (12件) (うちオープンアクセス 9件、 謝辞記載あり 2件、 査読あり 1件) 学会発表 (7件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 学校スタッフの量的拡大と非正規雇用化―市町村費負担職員に着目して―2015

    • 著者名/発表者名
      川上泰彦
    • 雑誌名

      佐賀大学文化教育学部研究論文集

      巻: 19(2) ページ: 53,64

    • オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 教育時事レビュー 2014年下半期(7~12月)2015

    • 著者名/発表者名
      川上泰彦
    • 雑誌名

      教職研修

      巻: 511 ページ: 72,75

  • [雑誌論文] 女性商業誌における特定ワードイメージに関する考察2015

    • 著者名/発表者名
      波多江俊介
    • 雑誌名

      熊本学園商学論集

      巻: 19(2) ページ: 23,33

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 生徒指導を含む教員負担と学校規模との関係性考察2015

    • 著者名/発表者名
      波多江俊介
    • 雑誌名

      熊本学園大学論集『総合科学』

      巻: 20(2) ページ: 35,49

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 学校の”適正”規模に関する研究動向と課題 ― 研究方法論の視点から2015

    • 著者名/発表者名
      波多江俊介
    • 雑誌名

      教育経営学研究紀要

      巻: 17 ページ: 93,96

  • [雑誌論文] 養護教諭の教職キャリアに関する検討2015

    • 著者名/発表者名
      高木亮
    • 雑誌名

      就実教育実践研究

      巻: 8 ページ: 157,172

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 人口減少社会における日本の教育経営課題2014

    • 著者名/発表者名
      波多江俊介・川上泰彦
    • 雑誌名

      日本教育経営学会紀要

      巻: 56 ページ: 158,163

    • オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 佐賀県における公立小中学校事務の共同実施2014

    • 著者名/発表者名
      中島秀明・川上泰彦
    • 雑誌名

      佐賀大学文化教育学部研究論文集

      巻: 19(1) ページ: 11,20

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 佐賀県の学校組織における『新しい職』の設置と運用―検討・導入過程と運用上の課題を中心に2014

    • 著者名/発表者名
      中島秀明・川上泰彦
    • 雑誌名

      佐賀大学教育実践研究

      巻: 31 ページ: 23,30

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 『指導力不足教員』をめぐる人事管理システムの成立過程と運用状況2014

    • 著者名/発表者名
      中島秀明・川上泰彦
    • 雑誌名

      佐賀大学教育実践研究

      巻: 31 ページ: 31,40

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 教育Review 2014年上半期(1~6月)2014

    • 著者名/発表者名
      川上泰彦
    • 雑誌名

      教職研修

      巻: 505 ページ: 72,75

  • [雑誌論文] 教師間コンフリクトを起点とするコミュニケーション発生可能性の検討 ― 三者間の関係性に着目して2014

    • 著者名/発表者名
      波多江俊介
    • 雑誌名

      日本教育経営学会紀要

      巻: 56 ページ: 98,112

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 年次有給休暇取得のしやすさと学校組織要因との関係性考察2015

    • 著者名/発表者名
      波多江俊介
    • 学会等名
      九州教育経営学会第91回定例研究会
    • 発表場所
      福岡市立舞鶴小・中学校
    • 年月日
      2015-01-16 – 2015-01-16
  • [学会発表] 養護教諭の教職キャリアに関する検討Ⅱ2015

    • 著者名/発表者名
      高木亮
    • 学会等名
      九州教育経営学会第91回定例研究会
    • 発表場所
      福岡市立舞鶴小・中学校
    • 年月日
      2015-01-16 – 2015-01-16
  • [学会発表] 九州地区における学校規模適正化をめぐる問題状況と課題を探る(その2)―長崎県の現状報告と研究方法論の検討2014

    • 著者名/発表者名
      波多江俊介
    • 学会等名
      九州教育学会第66回大会(ラウンドテーブル)
    • 発表場所
      長崎大学
    • 年月日
      2014-12-06 – 2014-12-07
  • [学会発表] 教員人事に係るガバナンス ―ガバナンス「単位論」の検討―(課題研究 地教行法等の改定と教育ガバナンス(Ⅰ):学校教育における共同統治を中心に)2014

    • 著者名/発表者名
      川上泰彦
    • 学会等名
      日本教育行政学会第49回大会
    • 発表場所
      東京学芸大学
    • 年月日
      2014-10-10 – 2014-10-12
  • [学会発表] 学校組織における勤務形態・費用負担の『多様化』2014

    • 著者名/発表者名
      川上泰彦
    • 学会等名
      日本教育学会第73回大会
    • 発表場所
      九州大学
    • 年月日
      2014-08-22 – 2014-08-24
  • [学会発表] 地方教育委員会の学校維持・統廃合判断に関する経営課題(課題研究「人口減少社会における持続可能な学校システムの開発(2)」)2014

    • 著者名/発表者名
      川上泰彦
    • 学会等名
      日本教育経営学会第54回大会
    • 発表場所
      北海道教育大学釧路校
    • 年月日
      2014-06-06 – 2014-06-08
  • [学会発表] 教育センターにおける研修体系の検討2014

    • 著者名/発表者名
      髙木亮、波多江俊介
    • 学会等名
      日本教育経営学会第54回大会
    • 発表場所
      北海道教育大学釧路校
    • 年月日
      2014-06-06 – 2014-06-08
  • [図書] 校長・教頭のリーダーシップとマネジメント術―社会の変化に対応した校長・副校長・教頭の学校経営術 (教職研修総合特集)2015

    • 著者名/発表者名
      八尾坂修〔編〕
    • 総ページ数
      208
    • 出版者
      教育開発研究所
  • [図書] 次世代スクールリーダーのためのケースメソッド入門2014

    • 著者名/発表者名
      牛渡淳,元兼正浩,浅野良一,大野裕己,大竹晋吾,川上泰彦,高木亮,日髙和美,竹内伸一,梶原健二,金子研太,波多江俊介,畑中大路〔著〕
    • 総ページ数
      220
    • 出版者
      花書院
  • [図書] 教育委員会改革5つのポイント―「地方教育行政法」のどこが変わったのか2014

    • 著者名/発表者名
      村上祐介〔編〕
    • 総ページ数
      144
    • 出版者
      学事出版

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公開日: 2016-05-27  

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