研究課題/領域番号 |
26381176
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
桐谷 正信 埼玉大学, 教育学部, 教授 (90302504)
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研究分担者 |
坪田 益美 東北学院大学, 教養学部, 准教授 (20616495)
佐藤 公 明治学院大学, 心理学部, 准教授 (90323229)
宮崎 沙織 群馬大学, 教育学部, 准教授 (90591470)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 多文化教育 / 社会科教育 / 歴史教育 / ドイツ / シティズンシップ教育 / 記憶 / 対話 |
研究実績の概要 |
平成28年度は,ドイツのユダヤ博物館の歴史教育・公民教育を中心に,教材,ワークシートを収集するための現地調査を行い,多文化的社会科教育における博物館教育の意義や必要性について分析した。 合計3回の多分化的社会科教育国際比較研究会を開催し,研究成果の確認,取りまとめをおこなった。 ドイツの歴史教育・公民教育におけるユダヤ博物館の活用については,学校の授業の一環として積極的に活用されていると同時に,社会教育・家庭教育においても積極的に活用されている。学芸員の説明を中心とするツアー形式の活用もあるが,展示の仕方や解説の投影,ICT機器の活用などによって,学習者のニーズとペースに合った学習が可能なように工夫されている。多様な文化的背景をもつ学習者が活用できるよう,多様な言語に対応したICT機器が用意され,ドイツ語を第一言語としない学習者への配慮がなされている。 ユダヤ博物館は,虐殺の記憶と記録が中心に展示され,学習者がその展示を思索的に解釈できるように工夫されている。「主体的・対話的(過去との対話,自己との対話)で深い学び」が達成できる構成となっている。 ドイツの歴史教育では,ドイツの多民族化と多文化化の進展について統計資料などを用いた構成となっており,博物館での学びを積極的に活用することが推奨されている。現在のドイツの多文化共生のあり方(EUとの関係,移民の受け入れなど)は,ナチスによるユダヤ人迫害をどのように捉えるかが基盤となっており,ドイツにおけるシティズンシップ教育の基盤として歴史認識が重要視されている。
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