本研究では,アメリカ,ドイツを中心に多文化社会科教育における博物館活用のあり方に着目し,検討を行った。アメリカとドイツの多文化的社会科教育における博物館活用の共通点としては,多様な学習者の文化的背景への配慮から多言語での解説が可能なようにICT機器の活用が積極的に進められている点が挙げられる。相違点としては,アメリカでは展示における学習のストーリーが用意されているのに対し,ドイツでは構成主義的な展示により,学習者の主体的な解釈による学習が可能となるよう配慮されている点が挙げられる。両国とも,学校教育における博物館活用が積極的に推進され,多様な社会的文脈における多文化教育が展開されている。
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