研究課題/領域番号 |
26381337
|
研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
河野 淳 東京医科大学, 医学部, 教授 (00224808)
|
研究分担者 |
野波 尚子 東京医科大学, 医学部, 言語聴覚士 (00725682)
齋藤 友介 大東文化大学, 文学部, 教授 (50297082)
冨澤 文子 東京医科大学, 医学部, 言語聴覚士 (50726114)
芥野 由美子 東京医科大学, 医学部, 言語聴覚士 (60726115)
永井 賀子 東京医科大学, 医学部, 講師 (00408113)
白井 杏湖 東京医科大学, 医学部, 助教 (10626279)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 人工内耳 / リテラシー / 聴取 / 構音 / 音韻 / 語彙 / 統語 / 言語力 |
研究実績の概要 |
本研究では、1幼児期か ら学童期にかけての、「言語の移行期」に着目し、少人数・縦断的手法(Kyle ら,2011)により、 学齢 CI 児の日本語リテラシー遅滞の機序と関連要因の解明を目的としており、幼児期から学齢期にいたる人工内耳装用児の、4 年間およぶ縦断研究か ら構成される。今年度は、引き続き幼児期から小学校低学年にいたる人工内耳装用児(約100名の)に対して、言語諸側面のスキルである構音の評価、音韻意識と初期読字、語彙の評価を行った。その結果、聴取成績(CI2004)の平均は単語86.0%、文70.0%で言語性IQの平均は78.0であった。聴取成績と言語性IQは正の相関があった。構音検査の結果は、0点から50点に及び、平均26.0点、標準偏差15.7点であり、手術時月齢が低いほど構音検査結果が良好な関係が見受けられた。手術年齢が2歳以下では、3歳以上と比べ聴取成績に有意差なかったが、語彙力の遅れが有意に少なかった。聴覚口話法で療育された児は聴取成績および言語性IQいずれも良好であった。人工内耳装用児の語彙力は就学前に生活年齢より遅れがあり、語彙力を積極的にあげる療育が必要と思われた。今後、さらに症例を増やして、幼児期から学齢期における統語能力の発達、作文能力の発達に関する検討 、音声会話力の発達に関する検討を行い、人工内耳装用児の言語力(「国語力」)に及ぼす要因と機序(メカニズ ム)に関する総合的検討を行う予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
評価内容として、1幼児期から学齢期における構音発達の検討、2同音韻意識の発達に関する検討、3初期読字能力の発達に関する検討、4語彙発達の検討、5統語能力の発達に関する検討、作文能力の発達に関する検討 、音声会話力の発達に関する検討、言語力(「国語力」)に及ぼす要因と機序(メカニズ ム)に関する総合的検討 を行う予定だが、おおむねできているが、作文能力、国語力の検査が少し遅れている感じがある。
|
今後の研究の推進方策 |
検討項目の中で、5統語能力の発達に関する検討、6作文能力の発達に関する検討 、7音声会話力の発達に関する検討、8言語力(「国語力」)に及ぼす要因と機序(メカニズ ム)に関する総合的検討 を、集中的に行う予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
検査が予定よりできていない人がいるために、次年度使用額が生じてしまった。そのため、次年度はより予定をたてて検査を行う予定である。
|
次年度使用額の使用計画 |
検査者を約10名ほど増やし、かつその整理の費用に充てることとする、
|