円分体の類数(特に、そのマイナスパート)は整数論において重要な研究対象であるが、従来は素数分体についての計算が主眼となっていた。本研究では、その計算を素数ベキ分体にまで拡大し、類数のマイナスパートの性質を研究した。そして、素数ベキ分体の類数については、そのニューパート(=ベキを上げるときに新しく登場する部分)達が互いに素なのではないか?という予測が(市村文男氏により)なされていて、その予測の検証が本研究の主たる目標となった。 本研究での大規模な数値計算の結果、上記の予測は「ほとんど」成り立ちそうだが、一部の例外がある、という状況を明らかにすることができた。
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