本研究の主目的は,多様体のラプラス作用素とブラウン運動の一般化である「測度空間の作用素及びマルコフ過程」の大域的理論と収束理論を発展させ,幾何学への応用をはかることである。それに関して研究期間全体を通して以下の成果を得た。(1)ディリクレ形式の保存則ならびに再帰性の決定(2)多様体ならびにグラフの(L1とL2)リュービル性の特徴付け(3)多様体の一般化された保存則を定式化して,それをリュービル性を用いた特徴付け(4)ラプラシアンの本質的自己共役性の確率論的を得た。これらで得られた成果は研究課題を進展させ,さらに,測度空間の作用素とマルコフ過程論に関するいくつかの予想を得た。
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