• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2017 年度 実施状況報告書

曲線の運動方程式のリーマン幾何学的摂動

研究課題

研究課題/領域番号 26400069
研究機関九州大学

研究代表者

小磯 憲史  九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 学術研究者 (70116028)

研究分担者 川久保 哲  兵庫県立大学, 物質理学研究科, 教授 (80360303)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2019-03-31
キーワードリーマン多様体への摂動 / 弾性曲線 / 運動方程式
研究実績の概要

本研究の目的は Caflish と Maddocks が導入したユークリッド空間における弾性曲線の運動方程式の解の存在定理を一般のリーマン多様体上に拡張することである.この目的は今年度までで主要部分を達成することができた.証明の基本方針と困難を克服する鍵となった方法は次の通りである.
1. 初期曲線の近傍において正規直交枠を指定し,曲線に沿ったベクトル場をすべてその正規直交枠を用いて成分表示することにより,すべての方程式を R^n 値に書き直す.2. 曲線に沿った通常の共変微分を直接的には曲線の接ベクトルを用いない形で近似することにより,曲線の微分可能性よりも高い微分可能性をもつ微分作用素で近似する.3. それらに留意し,最初の方程式を 4 つに分解し,特に波動方程式部分と正定値常微分作用素部分の評価を分離することにより既知の評価方法を使えるようにする.4. 最終的には 4 つの方程式の結合型として縮小写像の原理によって短時間解の存在と一意性を示す.5. 短時間解を繋ぐことによって,長時間解の存在を示す.
以上の通り,大枠としては研究は順調に進行している.これらの研究成果をさらに発展,応用するために,次の 2 点が今後の大きな重点として課題となる.(1) この研究成果の応用のためには初期値の微分可能性の仮定を現在の 3 階連続微分可能性よりももっと弱めることが望ましい.(2) 3 の正定値常微分作用素部分のより詳細な解析が幾何学的な意味をより明確にする.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

大枠としては,当初の予定通りユークリッド空間における弾性曲線の運動方程式の解の存在定理を一般のリーマン多様体上に拡張することができた.

今後の研究の推進方策

今後の研究課題は初期値の微分可能性の仮定を可能な限り弱める.また,この研究で用いた正定値常微分作用素が最も幾何学的な評価を要するところであり,解析学的にも幾何学的にも興味深い対象であるので,更に深く研究を進める.

次年度使用額が生じた理由

(理由)今年度の研究では一般のリーマン多様体上での解の存在証明をおおむね完成することができた.来年度はその定理および証明の改良を進めたい.
(使用計画)現在までに得られた結果とその拡張を研究集会などで発表する.その準備および旅費として使用する.状況によっては,一部を機材購入費に充てる.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018 2017

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] Riemann 多様体上の弾性曲線の波動運動方程式2018

    • 著者名/発表者名
      小磯憲史
    • 学会等名
      日本数学会幾何分科会
  • [学会発表] Riemann 多様体における弾性曲線の運動方程式2017

    • 著者名/発表者名
      小磯憲史
    • 学会等名
      九州大学数理談話会
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2018-12-17  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi