位相的力学系に付随したバナッハスター環の既約表現について、その構成方法の手順を与え、その手順のなかで自明でない部分、エルゴード的拡張が実際に実行可能であることを二つの例、ベルヌーイ変換と無理数回転の場合に示す。エルゴード的拡張とは、離散的でない確率測度空間上のエルゴード変換に対して、そのI型因子環との接合積上のエルゴード変換に拡張できるかという問題である。(離散的な場合には存在しない。実際に示しえたのは有限I型の場合である。)一般的に可能かどうかについては未解決だが、例を見る限りその証明はもとのエルゴード変換の詳細な性質に依存する。
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