浅水波を記述するKdV方程式は,シュレディンガー作用素のスペクトル(固有値)との関連が発見されて以来,代数,解析,幾何の分野で代表的な可積分系として研究されてきた.本研究の目標は,代数的な理論である佐藤理論をシュレーディンガー作用素のスペクトルの視点から見直し,可能な限りの一般的な初期値から出発するKdV方程式の解を構成することである.このために佐藤理論で本質的なタウ関数をシュレーディンガー作用素のWeyl関数で表現することを試み成功した.これにより非常に一般的な初期値(非減衰)から出発するKdV方程式の解を構成することができる.
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