(1)無限の過去・未来を可算無限回行き交う相対論的電子の経路からなる空間上の、Feynman経路積分の数学的構成を行った。これにより、電子の第2量子化、即ち同時刻に可算無限個の電子・陽電子を導入することが、経路積分理論で可能であることを示した。(2)(1)で構成した経路積分が、相対論的に不変であること、即ちLorentz変換に対するspinor性を持つことを示した。(3)相対論的電子の確率振幅がユニタリ性・因果性を持つことを、経路積分から直接証明した。(4)空間方向に多項式オーダーで増大するポテンシャルを持つSchroedinger方程式に対する、Feynman経路積分の数学的構成を行った。
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